名古屋市立大学医学部蝶ヶ岳ボランティア診療所規約

名古屋市立大学蝶ヶ岳診療班は1997年度医学部教授会の承認を受け、1998年度より「名古屋市立大学医学部蝶ヶ岳ボランテイア診療所」を北アルプスの中部山岳国立公園蝶ヶ岳にある蝶ヶ岳ヒュッテ内に設置することを決定した。1998年度に医学部内で設立総会を持ち、以下の申しあわせの下で運営することにする。

(設置目的)
第1条
人命救助や健康管理の重要性を認識し、ボランテイア医療活動を通じた社会的貢献を目指す。高地医学、遠隔地医療、および環境保全の研究・教育の場とする。

(運営組織)
第2条
(1) 学内の任意団体である名古屋市立大学医学部蝶ヶ岳診療班(以下、診療班と略)が運営主体となる。運営の方法は代表者会で決定し、医学部内に広告する。
(2) 診療班員は名古屋市立大学の学生、職員、卒業生の有志で構成される。名古屋市立大学関係者以外は、診療班員の推薦によって班員として登録できる。その際に性別、年令、国籍、職種を問わない。退会は本人の自由意思による。入退会は運営委員会で記録する。
(3) 診療所設置者は診療班員の中から運営委員を指名し、運営委員会を組織する。
(4) 診療班の運営事務局は医学部医動物学教室に置き、必要に応じて変更する。
(5) 診療所長および代表者は運営委員会で決定し、医学部内に公示する。
(6) 診療班は医師1名、看護婦1名、学生・教職員3名の計5名を1班、4泊5日を、おおよその1単位とする。人数と滞在期間は運営委会で各年度ごとに決定する。滞在班長の職務は基本的に学生が行う。 (7) 総会は班員全員が参加資格を有し、代表者によって毎年召集される。ここに於いて会計報告、予算案、運営方針について審議し出席者の過半数による承認を受ける。

(会計報告)
第3条
  会計総務は収入と支出を管理し、各年度末に会計報告を行う。
  収入;寄付金、診療収入など。
  支出;医薬品購入、医療機器購入代金、山岳保険加入代金、医療保険加入代金、通信機器購入代金、登山用具購入代金など。
第4条
活動計画は運営委員会で決定し、診療所開設1ヵ月前までにその年度の診療所班員のすべての構成(氏名、滞在期間)を決定し、診療班代表、診療所長、ヒュッテ代表者に通知する。

(診療班員の費用負担)
第5条
  交通費は原則として自己負担とする。蝶が岳ヒュッテの滞在費(1人1泊1000円)の経費は診療班が援助する。山岳保険と診療保険は診療班として加入し、経費は診療班が援助する。登山用具は初年度は自己負担で準備し、以後順次共同装備を整備する。

(診療班員の職務)
第6条
(1) 各年度の最初の診療班は診療所を整備し、前年度の報告の記載と違いがある場合は直ちに診療班代表者または第2班に連絡して必要な措置をとる。
(2) 診療班員は勤務日の午前中までに、前任班と引き継ぎを行えるように入山計画を立てる。
(3) 診療日誌には、日付、受診者の連絡先(氏名、年齢、性別、住所)、主訴、病歴(基礎疾患、傷病の発生場所、発生状況)処置内容、病状経過、診断名、医師名、診療料金などを記録する。
(4) 山岳遭難が発生した場合、診療班員は診療所に待機して遭難者の処置に備えることを基本とする。
(5)  医師1名以上はヒュッテの近隣を離れない当直とする。
(6)  診療班員は設置場所が国立公園内であることを認識し、環境保全に協力する。

(診療班長の職務)
第7条
(1)  担当班が診療所と名古屋を安全に往復できるように入山計画書(名簿、交通機関、登山行程)を作成し、担当班員全員に配付する。そのコピー一部を診療班代表に提出する。
(2)  診療所に在庫する薬剤の管理、診療代金の集計管理を行う。前後の診療班長と、入山計画、薬剤補給などの連絡を取る。
(3) 各年度の最後の診療班長は医療廃棄物の回収を確認し、診療日誌を名古屋市立大学医学部運営事務局に持ち帰る。診療代金を総計し会計に届ける。

第8条
自由診療とする。薬品代などの実費を徴収する場合には別表を設けて行う。診療所における診療料金の管理は診療班長が行う。
第9条
毎年度はじめに診療所への派遣予定者または希望者を対象として、応急処置、消毒法、薬剤の処方などについての講習会を実施する。
第10条
診療所開設期間終了後、代表者会はその年度の活動の総括を行い、薬剤の補充、新規購入、会計報告などをまとめて学部内に広告する。さらに、次年度の機材の荷上げなどの予定を年度内にヒュッテ側と協議する。

(規程の改正)
第11条 
 この運営規程は登録されてる診療班員の誰もが異議を申し立てる権利を有し、要請があった場合は運営委員会で討議し、運営委員会出席者の2/3以上の同意で改正できる。

附則 この規約は1998年4月1日から発効する。


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