名古屋市立大学医学部蝶ヶ岳ボランテイア診療所設立に関する合意書

名古屋市立大学医学部蝶ヶ岳診療班は名古屋市立大学医学部蝶ヶ岳ボランテイア診療所設立に際して蝶ヶ岳ヒュッテ設置者と以下の項目に関する合意を得たことを確認し、双方の理解と協力の下に診療所を円滑に運営し、蝶ヶ岳山域の登山者の安全確保に寄与することに努める。

第1条 設置場所は長野県南安曇郡堀金村、蝶ヶ岳ヒュッテ(以下ヒュッテと略)内とする。 第2条 設置主体は名古屋市立大学医学部の学生、およびその教職員を中心とする非営利の任意団体 (名古屋市立大学医学部蝶ヶ岳ボランテイア診療班、以下診療班と略)である。ヒュッテはその運営を援助する。
第3条 診療所名称は名古屋市立大学医学部蝶ヶ岳ボランテイア診療所とする。診療所長は運営委員会で決定し、医学部内に公示する。
第4条 開設期間は7月20日頃〜8月20日頃までの約1か月間を原則とする。具体的な開設期間は各年度開設前に診療班がヒュッテに通知し合意をえる。
第5条 ヒュッテは診療所の運営に対して以下の支援を行なう。
(1) 各年度に必要な診療機器、薬品の荷上げはヒュッテが責任を持って行う。その量、回数は診療班とヒュッテとの事前協議によって定める。
(2) 診療所の運営に必要な水、電気、ガス等はヒュッテ側が無料で供給する。
(3) 診療班員のヒュッテ滞在のための居住区域と寝具等をヒュッテは用意し、その滞在費(3食付き宿泊費)は1人1泊1000円とする。
(4) ヒュッテは、診療活動を円滑に行えるように、国立公園管理区域内の道路および駐車場が利用できるよう配慮、準備する。
第6条 診療所活動は名古屋市立大学医学部の教育・研究と関連したものであり、診療所班員は蝶ヶ岳山域において、山岳遭難救助活動に参加する義務を負わない。
第7条  診療班が救急搬送の必要を認めた場合はヒュッテが搬送および、搬送支援の連絡任務を負う。搬送および、搬送に関わる費用負担には診療所は一切関知しない。
第8条 診療班員は診療所設置場所が国立公園内であることを認識し、環境保全に努め医療廃棄物の処理はヒュッテの指示に従う。
第9条 診療班は会計を決定し、診療班の収入と支出の管理を行なう。
第10条 診療班員はヒュッテの運営方針を尊重し、診療所区域の清掃に責任を持つ。
第11条 診療行為に起因する争議にはヒュッテ側は一切責任を負わない。
第12条 診療班の明らかな過失によるヒュッテの器物の損壊があるときは、診療班はヒュッテに対して弁償の責任を負う。
第13条 診療班は診療所の運営が困難となった場合には、その旨をヒュッテ側に通知し、運営を中止できる。その場合は次期診療所開設期日の1年以上前に行わなくてはならない。
第14条 ヒュッテが診療所の開設の必要を認めない場合、または診療班以外の団体に運営を委嘱する場合、その旨を診療班に通知し、診療所を閉鎖できる。その場合は次期診療所開設日の1年以上前に行わなくてはならない。
第15条 合意書の事項に変更の必要を認めた場合は診療班代表、診療所長またはヒュッテ代表が発議し、協議を行って内容の変更を加えることができる。
附則 この合意書は1998年4月1日から発効する。

1998年3月31日

名古屋市立大学医学部蝶ヶ岳ボランテイア診療所所長 医学部名誉教授 武内俊彦
名古屋市立大学医学部蝶ヶ岳ボランテイア診療班代表 医学部教授   太田伸生
蝶ヶ岳ヒュッテ/大滝山荘 代表 神谷圭子


太田伸生教授は2006年からは東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科国際健康開発講座国際環境寄生虫病学分野教授として異動されました。
名古屋市立大学医学部蝶ヶ岳ボランテイア診療班運営委員長 三浦 裕

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